本のキュレーションを通じて新しい景色を見せてくれる、そんな紹介でした。
2019年3月のアフター6ジャンクション(TBSラジオ)にて、声優でエッセイストの池澤春菜さんが4度目の登場。この回は「あなたの世界が変わる物語」をテーマに本を紹介しています。
第3回の出演内容はこちらから。
「おすすめラジオトピック」では各種ポッドキャストサービスで聴きなおせるラジオ番組を紹介しています。聴きなおせるサービスやリンクを記載しているので記事だけでなく、ぜひ放送内容を確認してみてくださいね。
池澤春菜さんによるオススメ本紹介4「あなたの世界が変わる物語編」
番組名 | アフター6ジャンクション |
放送局 | TBSラジオ |
放送日 | 2019年1月29日 |
タイトル | 【アーカイブ】アフター6ジャンクション カルチャートーク:池澤春菜さん(推薦図書) |
時間 | 約20分 |
URL | [ラジオクラウドURL]https://nhsw9.app.goo.gl/mer1FEtAYpDq7TX76 |
紹介された本と、コメントの要約
「宿借りの星」(酉島伝法)
書名 | 宿借りの星 |
著者 | 酉島伝法 |
出版社 | 東京創元社 |
本体価格 | 3,000円+税 |
商品コード | 978-4-488-01834-4 |
その惑星では、かつて人間を滅ぼした異形の殺戮生物たちが、縄張りのような国を築いて暮らしていた。罪を犯して祖国を追われたマガンダラは、放浪の末に辿り着いた土地で、滅んだはずの“人間”たちによる壮大かつ恐ろしい企みを知る。それは惑星の運命を揺るがしかねないものだった。危機に立ち向かうため、マガンダラは異種族の道連れとともに、戻ったら即処刑と言い渡されている祖国への潜入を試みる―“異形の天才”待望の初長編。
-内容(「BOOK」データベースより)
放送時の要約
(冒頭に池澤春菜さんによる朗読)
凄まじい濃密な話。だけど、大阪のおっちゃんの話でもある。大阪のおっちゃんの話を煮詰めると脳に来る。
とにかく造語の多さが特徴。「トナカイ」と聴いてあのトナカイを思い出したかもしれないけれど違うもので、「渡那貝」と書く。このように造語が多いけれど、読み進めていくと徐々に理解できるようになってくる。
脳が新しい言語に書き換えられる。自分が見ている世界や自分の体そのものが異世界に変換されていく。すごい読書体験ができる。
「砂糖の空から落ちてきた少女」(ショーニン・マグワイア)
書名 | 砂糖の空から落ちてきた少女 |
著者 | ショーニン・マグワイア |
出版社 | 東京創元社 |
本体価格 | 900円+税 |
商品コード | 978-4-488-56704-0 |
ここはウサギ穴に落ちたり、鏡をくぐり抜けたりして異世界へ行き帰ってきたものの、現実世界に適応できない子供たちの学校。ある日学校に空から少女が降ってきた。彼女は死んだはずの生徒スミの娘と名乗る。そしてスミを取りもどさないと自分が消えてしまうというのだ。そこで、スミの友人4人が死者の世界に旅立つが…。ファンタジーの醍醐味を凝縮したヒューゴー、ネビュラ、ローカス三賞受賞シリーズ第三弾!完結篇
-内容(「BOOK」データベースより)
放送時の要約
アリスやドロシー。彼女たちは”向こう側の世界”に行ってきた子どもたち。彼らが帰ってきたあとどうなったか。
本書は登場人物は”向こう側”に行ってしまった子どもたち。この世界に戻ってきたけれどまったく馴染めない。自分がいる世界は向こう側、いつかあの世界に戻ることだけを希望としている。
そして、そんな子どもたちを集めた寄宿学校が舞台の物語。
「七色覚」(グレッグ・イーガン)
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書名 | ビット・プレイヤー |
著者 | グレッグ・イーガン |
出版社 | 早川書房 |
本体価格 | 1,040円+税 |
商品コード | 978-4-15-012223-2 |
彼女は洞穴の中で目ざめた。外に見えるのは空、下から照りつけるのは日光。この奇妙な世界は何なのか?―未知の世界のありようを考察する表題作、死んだ名脚本家の記憶を持つアンドロイドが自らのアイデンティティを追う「不気味の谷」、恒星間をデータとして旅する夫婦を描いた、長篇『白熱光』と同一未来史の中篇「鰐乗り」など6篇を収録。現代SFのトップランナー、イーガンの日本オリジナル短篇集。
-内容(「BOOK」データベースより)
放送時の要約
この世界の人は視覚インプラントをしている。主人公は自分が見える光を3原色から4原色にアップデートできるハッキングを試す。生物学的な、人間では見れない色を見ることができるようになる。だけど、人と違う色覚を持つことがはたして恩寵かそれとも呪いになるのか…。
人と違うこと、あなたがあなたであること、その根源はどこにあるのか。
まさに今回の紹介テーマどおりの物語。
まとめ
1冊目の紹介「宿仮りの星」は朗読による紹介から始まります。内容の摩訶不思議感もさることながら、早口なのに聴きやすいし一度も噛みません。声優としての力も見せつけられた気持ちでした。
また、「あなたの知らない世界」がテーマですが、異世界、ファンタジー、近未来の話とバランスも意識した選書となっていますね。
わたしはこの回をきっかけに「不思議の国の少女たち」(シリーズ3冊)と「ビットプレイヤー」を購入。どちらも良いものでした。「宿仮りの星」も手に入れなければ、と思っています。
ということで、池澤春菜さんによるおすすめ本紹介の要約でした。ここでは内容の一部を要約しただけなので、ぜひラジオクラウドで放送内容をチェックしてみてくださいね。
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