まさかの親子共演!本の魅力について語りつくす放送回でした。
アフター6ジャンクションで定期的にオススメ本を紹介する池澤春菜さん。2020年6月23日の放送回では父親である池澤夏樹さんと共演し、オススメ本を紹介しました。
「おすすめラジオトピック」では各種ポッドキャストサービスで聴きなおせるラジオ番組を紹介しています。聴きなおせるサービスやリンクを記載しているので記事だけでなく、ぜひ放送内容を確認してみてくださいね。
【アトロク】池澤親子が最近読んだ面白い本<おすすめラジオトピック>
番組名 | アフター6ジャンクション |
放送局 | TBSラジオ |
放送日 | 2020年6月23日 |
タイトル | 特集:池澤夏樹&池澤春菜が放送媒体・初共演!最強の本読み親子トーク |
時間 | 52分 |
放送アーカイブ(アプリ) | ・ラジオクラウド ・Spotify |
[ラジオクラウド URL]https://nhsw9.app.goo.gl/jBcJWsSuECea1YFV8
[Spotify URL]https://open.spotify.com/episode/4aLGMxrMY2P2ZNRBZ3A4cd?si=gbvoShPZQ-KxJl9-UTAQAQ
出演者
レギュラーパーソナリティ | ライムスター 宇多丸(メインパーソナリティ) 宇垣美里(火曜日パートナー) |
特集ゲスト | 池澤夏樹(芥川賞作家) 池澤春菜(声優、歌手、エッセイスト) |
定期的にアフター6ジャンクションでおすすめ本を紹介する池澤春菜さん。20年6月23日の放送では20時台の特集コーナーに父親であり芥川賞作家の池澤夏樹さんと親子共演となりました。
放送内容の要約
この放送では池澤親子での共著「ぜんぶ本の話」(毎日新聞出版)の発売を記念した特集。
特集は前後半で分かれています。
前半パート:「ぜんぶ本の話」に関する話(14分頃~42分頃)
後半パート:池澤親子による2020年の推薦図書(42分頃~)
今回は後半パート、池澤親子による「最近読んだ面白い本」をテーマにした推薦図書の紹介です。ここでは放送内容の要約をお伝えしていきます。
この記事では省いていますが、前半パートでも必聴です。親子共同で本を出版することになった理由や、二人の読書感、親子で共通する書評家という仕事について、、、等々、興味深い話が盛りだくさん。こちらもぜひチェックしていただきたいです。
池澤春菜さん推薦図書「ザリガニの鳴くところ」
書名 | ザリガニの鳴くところ |
著者 | ディーリア・オーエンズ/著 友廣純/訳 |
出版社 | 早川書房 |
本体価格 | 1,900円+税 |
商品コード | 978-4-15-209919-8 |
ノースカロライナ州の湿地で村の青年チェイスの死体が発見された。人々は真っ先に、「湿地の少女」と呼ばれているカイアを疑う。6歳のときからたったひとりで生き延びてきたカイアは、果たして犯人なのか? 不気味な殺人事件の?末と少女の成長が絡み合う長篇
-本書の紹介文より
この物語は一人の男の死から始まる。その死の謎を追う現代の謎解きパートと、過去のパートが交互に掛かれている。
過去のパートはカイヤという湿地で孤独に生きる女の子が主人公。カイヤはホワイトトラッシュ(貧しい白人)の生まれで、小さい頃は両親と兄弟がいたが、6歳頃から一人で孤独に生きていく必要に迫られる。頼れるのは湿地の大自然。だが、時には人間の世界に戻りたい気持ちもある。それが彼女を追い立てていく。
本書では湿地の描写が美しく、静かで圧倒的。
コロナの自粛期間中に読んだが、家の外には人々がいる、が私は家の中で誰とも触れ合うことができない。ある種自分自身に立ち返る時間で、一人でいる事の時間を見つめなおす大事な時間。この期間に読むことができてよかった本。
アメリカ文学で、ネイチャーライティングという手法がある。
自然について書く随想で、自然に入っていくアメリカ人の自画像といえる。
本作はネイチャーライティングとミステリーがうまく合わさっている。裁判描写もあり、いかにもアメリカらしい本。
カイヤは20世紀のハックルベリーフィン。自然に入って自立しようとして、そうしきれない、そこも含めて大変な名作で、著者の処女作というのもすごい。
池澤夏樹さん推薦図書「あの本は読まれているか」
書名 | あの本は読まれているか |
著者 | ラーラ・プレスコット/著 吉澤康子/訳 |
出版社 | 東京創元社 |
本体価格 | 1,800+税 |
商品コード | 978-4-488-01102-4 |
一冊の小説が世界を変える。それを、証明しなければ。冷戦下、CIAの女性たちがある小説を武器に超大国ソ連と戦う!本国で出版契約金200万ドル(約2億円)のデビュー作!2020年海外ミステリ最高の話題作!!
-本書の紹介文より
今のアメリカのそれらしい小説。(先に紹介した)「ザリガニの鳴くところ」と同じく女性の視点が強調されている。
冷戦下にソ連では発禁になっていたソ連の作家ボリス・パステルナーク著の「ドクトル・ジバゴ」という小説(映画化もされています)。これをアメリカのCIAがソ連にばらまいてしまおうと工作する話。
ソ連という国の基礎を崩そうとする女性たちの活躍と暗躍を描いたスパイ小説。内容に二重三重の仕掛けがある本。
まとめ
今回は期せずして、親子でアメリカで出版された本の紹介となりました。特に「ザリガニの鳴くところ」の紹介では、春菜さんの紹介中に夏樹さんが解説を差し込む(そして、春菜さんから注意される)という微笑ましい場面が聴きどころ。
また、この放送は読書好きは必聴の回でした。特に池澤親子の共著「ぜんぶ本の話」を読んでから聴くとより発見があるはず。
各種ポッドキャストサービスで聴きなおせるので、気になった方はチェックしてみてくださいね。
アフター6ジャンクションでの池澤春菜さんの書評回は以下の記事にまとめています。
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