【Session-22 】荻上チキさんによる選書「自分を見つめるための心理学本」<おすすめラジオトピック>

楽観主義と悲観主義、果たしてどちらが良いのか。

7月24日の「荻上チキ Session-22」のオープニングで荻上チキさんによる本の紹介がありました。今回は「自分を見つめるときに役立つ心理学の本」をテーマに3冊を選書しています。

非常に興味深い内容だったので、放送時の要約をお伝えします。

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【荻上チキ Session-22】荻上チキさんによる選書「自分を見つめるための心理学」<おすすめラジオトピック>

番組名 荻上チキ Session-22
放送局 TBSラジオ
放送日 2020年7月24日
タイトル 【OP】「自分を見つめるための3冊」荻上チキ/td>
時間 15分
放送アーカイブ ・ラジオクラウド
・TBSラジオHP

[ラジオクラウド URL]https://nhsw9.app.goo.gl/rYyamBv6vUKJANoP7
[TBSラジオHP URL]https://www.tbsradio.jp/503670

出演者

レギュラーパーソナリティ ・荻上チキ
・南部広美

放送内容の要約

番組冒頭のオープニングトークで、「自分を見つめる時に役立つ本」として心理学の本を紹介。ここで紹介するのは心理学的に根拠がある本。心理学本は日本語に邦訳されるときに自己啓発書を装って販売される、というパターンがありがち。だが、実はアメリカの心理学の最高権威の人が書いた本、といった事例が多い。

1冊目「オプティミストはなぜ成功するか」(マーティン・セリグマン)

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著者のマーティン・セリグマンはアメリカでは心理学の第一人者。タイトルのオプティミストとは楽観主義者のこと(※逆に悲観主義者はペシミスト)をいう。

本書では心理学がフロイトからどう発展してきたのかがダイジェストで分かる。今まで専門家の領域とされていた心理学を、個人が自分でメンテナンスしやすい時代になったことがわかる。

楽観主義者と悲観主義者の違いは、性格だけでなく寿命や病気・幸福度にも影響する。ほとんどの場合、楽観主義者の方が寿命が長く、病気にもなりにくく、幸福感が高いことが分かった。

悲観主義者は何か悪いことがあったときに以下のように考えることが多い。

・個人的に考えるか
・永続的に考えるか
・普遍的に考えるか

つまり、自分のせいであり、自分に原因がある、と考えがち。だが、楽観主義者は状況を限定する。例えば「今日は調子が悪かった」「環境が悪い」といった風に考える。

こうした両者の考え方のクセが様々な選択に影響を与えることが、本書を読むことで理解できる。

2冊目「その科学があなたを変える」(リチャード・ワイズマン)

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本書はよりラディカルな内容で、「楽観主義は良い」という前提にたった本。楽観主義は良い、ではどうすれば楽観主義者になれるのかがわかる。

具体的には、AS,IFの法則。あたかも楽観的であるように振る舞うこと。笑顔でいる時間をいつもより増やす、他人と親密であるように振る舞う、といった行動を続けることで自分の感情が楽観主義にチューニングされていく。

MEMO

著者のリチャード・ワイズマンは英国ハードフォードシャー大学教授。エディンバラ大学で心理学の博士号を取得しています。

3冊目「ネガティブな感情が成功を呼ぶ」(トッド・カシュダン/ロバート・ビスワス=ディーナー)

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楽観主義は良い。けれど、ネガティブな悲観主義者は本当に悪いのか。本書ではネガティブな感情の効用について書かれた本。

本書では楽観主義者と悲観主義者にグループ分けをしてダーツをする実験がある。1回目は普通に、2回目はリラックスした状態で投げてもらう。リラックスした状態で投げた場合、楽観主義者は成績が良くなるが、悲観主義者は悪い成績になった。つまり、不安を感じることが力になる人もいる、ということ。会社組織でも楽観主義者だけでは立ち行かなくなる。ある程度ネガティブな人がブレーキの役割を果たす。

また、人によってはネガティブな感情でいることが、(仮に幸福感が無かったとしても)快適である、という場合もある。




まとめ

「こうなろう」と心理学の本を読むのは勧めない。荻上チキさん本人は悲観と楽観の使い分けのため、つまりは自己メンテナンスのために読むことを勧める、とオープニングを締めています。


科学的に健康や幸福度の観点から、楽観主義者の方が良い。という目から鱗の話でした。また、個人的に心理学に興味があったため、今回紹介されたうち2冊は早速購入してみました。

荻上チキさんは勧めていませんでしたが、「自分を変えたい」という思いから心理学の本を読んでみるのもよいのではないでしょうか。

ここで紹介したのは要約なので、興味を持った方はぜひ放送内容を聴きなおしてみてくださいね。

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