突然ですが、読書法と聞いてどんなことを思い浮かべますか?
わたしが思い浮かべたのは、速読と精読の二つ。読む速さの違いです。
ですが今回紹介する本に書かれているのは、そのどちらとも異なる読書の仕方。
著者いわく頭の良い人は皆その読書法をしているとのこと。今回はそんな一味違った読書法「東大読書」の書評です。
【書評】「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書
(2023/10/05 18:31:12時点 Amazon調べ-詳細)
書名 | 「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書 |
著者 | 西岡壱誠 |
出版社 | 東洋経済新報社 |
本体価格 | 1,400+税 |
商品コード | 978-4-492-04625-8 |
速く読める。論理の流れを追える。一言で説明できる。多面的に解釈できる。ずっと忘れない。東大生だけが知っている、究極の読書術!
-本書の紹介文より
著者の西岡壱誠さんは現代東大生(※この記事執筆時点)。偏差値35歳から東大を目指し、二浪の末はれて東京大学に合格。その際に開発した「思考法」「読書術」「作文術」で偏差値70に。著者に「東大作文」「東大思考」(ともに東洋経済新報社)がある。
なかなか本の中身を読ませてくれない読書術
東大読書はその名の通り東大生の多くが実践している読書法。この読書法を実践することで読んだ内容を忘れず、本の知識を自分のものにできます。
しかしこの本、読み始めは本の中身の読解法について全然教えてくれません。具体的に言うと、最初の60ページは本を開くことすらさせてもらえません。本のタイトルや帯(キャッチコピーが書いてある細長い紙のこと)の捉え方について書かれています。
この辺り、もしかしたら回りくどく感じるかもしれません。ですが、本を開く前、読み始める前の準備がそれだけ重要だということ。
なぜなら東大読書は「能動的に読書をする方法」について書かれた本だからです。
能動的な読書のすすめ
読書について「本と対話する」なんて表現をすることがありますよね。能動的な読書とはまさにこのこと。
具体的に、東大読書は以下5つのステップで行います。
②取材読み
③整理読み
④検証読み
⑤議論読み
これらは、本を読む目的を設定して、書いてある内容を鵜のみにせず、対話するように本を読み込むための手法。
こうした能動的な読書の仕方をロジカルに解説しています。
上で紹介したステップの詳細は、ぜひ本書を読んで確かめてみてくださいね。
「良い本の選び方」が便利
本書の後半には、「良い本」の選び方についても解説されています。本を能動的に読み込む技術を身に着けても、本の選び方を失敗してしまったら元も子もありません。
「売れているものから選ぶのが実は良い」とか「著者で選ぶ」いった具体的な選書方法法を紹介。これは、教養本やビジネス書など、学びのための本を探すときには大いに役に立つはずです。
本書のもう一つの魅力が、ビジネス書レビュー本の側面を持っていること。ページ下部には著者の西岡さんが実際に読んだ本とその要約を記載しています。ベストセラーから隠れた名著まで、その数なんと30冊以上!
このレビューだけで1冊本が書けるのでは…とも思えるほど。次に何を読もうか迷ったときは、東大読書を参考に選んでみるのもオススメですよ。
まとめ
東大読書では、能動的な読書を続けることで以下の能力が鍛えられるとしています。
②論理的思考力
③要約力
④客観的思考力
⑤応用力
これらは頭の良さ、地頭が良いなんて言われる人の特徴ですよね。
目的を決め、ただ漫然と読むことをせず、常に本と対話するように読み込む。
言うは易し行うは難しかもしれません。ですが、実践すれば必ずタメになる読書法。それが「東大読書」です。
本の読み方を知りたい、内容を忘れないようにしたい。そんな人はぜひ手に取ってみてくださいね。
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