あなたはプレゼンや報告書の作成に苦労していませんか?
プレゼン資料はビジュアルが重視されがちですが、肝心なのはロジカルで説得力のある内容です。
今回はプレゼン資料の説得力を高めるための1冊、『入門 考える技術・書く技術【スライド編】』を紹介します。本書は、「ピラミッド原則」という思考法をスライドに落とし込むための手法を解説した本です。
商品名 | 考える技術・書く技術【スライド編】 |
著者名 | 山﨑康司 著 |
定価 | 1650円(本体1500円+税10%) |
発行年月 | 2016年11月 |
判型/造本 | A5並製 |
頁数 | 164 |
ISBN | 978-4-478-10147-6 |
- 仕事でプレゼンテーション資料や報告書を作成している人
- 論理的なスライド作成方法を学びたい人
- 説得力のあるプレゼン資料で上司やクライアントからの評価を上げたい人
『考える技術・書く技術【スライド編】』はコンサルティング会社の代表を務める山﨑康司氏による著作。
本書は論理的な思考整理術である「ピラミッド原則」を日本語で実践し、ロジカルで説得力のあるスライドを作成するための手法を解説しています。
また、本書ではプレゼン資料と文書報告書と同じ役割を果たす「スライドレポート」を対象としています。具体的なスライドレポート作成の考え方や表現ルール、ストーリーラインのチェックについて詳細に解説しています。
ピラミッド原則とは、考えをピラミッド型に構成することで論理的に思考を整理する技術です。ピラミッド型とはメッセージ(=得たい反応-理解or行動-を記述したもの)が頂上にあって、小さな主張がそれを支える、という構成です。
ピラミッド原則はバーバラ・ミント史による著作「Pyramid Principle(邦訳『考える技術・書く技術』)」によって世間に広まりました。
本書ではスライド作成における基礎知識から、表現のルールや図表の示し方といった具体的な作業手順まで丁寧に解説しています。そのため、スライド作成に不慣れな人でもすぐに実践できる作りになっています。
また、冒頭で語られる著者の主張は、まるで赤べこのように頷ける内容でした。
スライド・レポートで重要なのは5分でOKが取れるということではありません。
(中略)
最も重要なのは、プレゼン参加者が1時間かけて検討しても、プレゼン後に丸一日かけて検討しても、結局その内容に同意することになる、それだけの説得力を備えたものであるという事です。
-『入門 考える技術・書く技術【スライド編】』P15より一部抜粋
私の実体験として「5分で説得できるプレゼン資料」では、いわゆる”資料が独り歩きする“という状況になりやすく、後々のトラブルになる事例が多いように感じます。
あと、私のような一般ビジネスパーソンの場合、「5分で説得するようなプレゼンの場」ってそもそも無いんですよね。
とはいえ、スライド作成の初心者は「5分で説得できるプレゼン資料」のテクニックに惹かれがちなもの。ですが、結局はどのような形態でもロジカルな資料を作成することが重要なのだと思います。
本書はスライド作成の初心者が、読んで即実践できる内容となっています。それこそ、初心者でも本書のマネをするだけでも、従来よりも説得力のあるプレゼンスライドが作成できるようになるのです。
「考える技術・書く技術【スライド編】」は、ビジネスパーソンに向けたスライド作成の実践的な指南書です。バーバラ・ミントの「ピラミッド原則」を基にした、ロジカルなプレゼンテーション力を高める方法が示されています。
また、本書は読者が一定の論理的思考力がある前提で、スライドの具体的な作り方について解説しているため、「ロジカル・シンキング」の基礎知識があるとより理解が深まる作りとなっています。関連書籍を記事の後に記載していますので、ぜひそちらも参考にしてみてください。
本書と併読することでより理解が深まる書籍をいくつか紹介します。本来はバーバラ・ミント氏の「考える技術・書く技術」も紹介したいところですが、日本語版は絶版になっており新品では手に入らない状況のようです。
本書の前編として書かれた書籍。ピラミッド原則でのロジカル・シンキングの実践方法について解説しています。
「ロジカル・シンキング」と言えばこの本、というほどの定番書。本書ではピラミッド原則とともに「MECE」や「So What? / Why So?」を用いて、論理的な説明をするための思考法と技術を体系的に習得できる本です。
「ロジカル・シンキング」の姉妹本。こちらは論理的に整理をした考えを文章に落とし込むための技術を解説しています。
私の実体験として「5分で説得できるプレゼン資料」では、いわゆる”資料が独り歩きする“という状況になりやすく、後々のトラブルになる事例が多いように感じます。
上でこんなことを書いておいて何ですが、スライドの見せ方については知っておいて損はないです。「プレゼン資料のデザイン図鑑」は400枚もの実例スライドが記載されており、非常に参考になります。