【書評】「AIに負けない子どもを育てる」読解力アップの実践法がわかる!ビジネスパーソン必読の書

今回は「AIに負けない子どもを育てる」の書評です。

「ロボットは東大に入れるか(通称:東ロボくん)」プロジェクトリーダーの新井紀子氏の著作。

Wikipedia-東ロボくん

前作「AI vs.教科書が読めない子どもたち」の続編にあたります。

「AI vs.教科書が読めない子どもたち」の概要

 

本題に入る前に、少しだけ前作の内容をおさらいします。

新井紀子氏は前作で、

 

 ・AIは単純作業が得意
 ・AIは意味を理解できない

 

と説明しています。

そして、AIに代替されないために重要な能力として読解力が必要。だけれども、テストをした結果、その読解力が足りない子どもが多いことがわかった。

といったところまでの説明でした。

ちなみに前作はAIの入門書としてもオススメ。AIって何?というところから、具体的にAIができること、できないことをかみ砕いて説明しています。

前作の書評も書いています。ぜひ参考にしてみてください。

【書評】「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」AI時代に必要な能力は?子どもを持つ親必読の1冊!

「AIに負けない子どもを育てる」の書評

ここから本書の内容に戻ります。

本書「AIに負けない子どもを育てる」は、前作を読んだ人の疑問

「読解力が重要なのはわかった。じゃあ、どうしたら読解力を伸ばすことができるの?」

に対する回答書です。

本書では著者が考案した読解力を測る「リーディングスキルテスト」(以下、RST)の実施結果をもとに、読解力アップの実践方法について書かれています。

RSTは「事実について書かれた短文を正確に読むスキル」を測るテスト。本書では「答えが書いてあるのに解くのが難しいテスト」とも称されています。

問題文を読み解くことができれば答えが導ける内容となっており、いわゆる知識を問うテストではありません。

体験版テストで自分の読解力が測れる

本書にはRSTの体験版テストが収録されています。これを実際に解いてみることで、自分の読解力がどの程度か測ることができます。

テストの内容は7項目全28問。1項目の配点は10点、満点は70点です。

ちなみに私も実際に問題を解いてみましたが、70満点中49点という結果でした。

言い訳すると、ビジネスパーソンとして取っておきたい点数は1項目6点以上(合計42点)とのこと。ギリギリ合格といったところでしょうか…。

どうやら私は「文の基本構造を把握する力」と「文章を図やグラフと比べて、内容が一致しているかどうかを認識する能力」は高い(10点)。けれど、「言葉の定義を読んでそれと合致する具体例を認識する力」が低い(5点)というのがわかりました(参考まで、その他の項目は6点~7点でした)。

全28問と少な目の設問ですが、終わった後は結構な疲れを感じます。

わが子の読解力を上げるために何をすべきか

タイトルの「AIに負けない子どもを育てる」の通り、本書の中盤以降は主に教育論。例えばRSTテストを実施している自治体・学校ごとの活用例(好事例・悪事例も含めて)や、学校の教育現場でどのように授業を進めていくべきかといった内容が語られています。

このパートはざっくりと言うと、今の学校教育の仕組みそのものが子どもの読解力向上を阻害している。2022年に始まる高校国語の再編に向けて、国語教育いま一度考え直すべきだ。

といった結論に着地するわけですが、これだと教育にかかわる仕事をしている人以外にはどうしようもないですよね。

ですが安心してください。

終盤の9章、10章では具体的に読解力を上げるための仮説が書かれています。

9章では子どもに対し、親や周囲の人間がどのような機会を与えられるか。幼児期から小学校卒業まで、年代別の対策が書かれています。

10章では大人になってからも「読解力を上げることができるのか」という問いに触れられています。著者のプロジェクトメンバーである菅原氏の手記から始まります。

以下、10章の導入部を引用します。

(1)RSTとの出会い

まず、私がRSTにかかわることになったいきさつについて触れておきたいと思う。
博士課程を修了し数年経ったある日、別の用事で新井先生の研究室を訪れたときに、先生から「新しいプロジェクトを始めようと思っているの」と、当時まだ設計途中だったRSTのサンプル問題を見せていただく機会に恵まれた。
当時は、現在とは少し仕様が異なる点があるが、私が解いた問題は同義文判定問題に近い仕様の問題だった。実は、いまだから告白できるのだが、その時提示された問題のすべてを解くことができなかったのだ。

第10章「大人の読解力は上がらないのか?」より

個人的に、この章はかなり衝撃的でした。

博士課程を修了している菅原氏(=勉強ができる大人)が基本的な読解力を欠いていたというのです(一部分においてですが)。

10章ではその状態から実際に読解力がどのように鍛えたか、正確に読むためにはどのように読めばいいのか、といった内容に言及されています。

この経験談の部分は菅原氏の原文ままで記載されているようです。読みやすく・内容が理解しやすい文章を読む限り、氏の現時点での読解力の高さは疑いようもありません。

氏の経験談は読解力の向上を目指す人にとって、大いに参考になると思います。

まとめ

仕事のマニュアルも、契約書の内容も、そもそもの読解力が無ければ正しく理解することができません。

本書「AIに負けない子どもを育てる」は子どもを持つ親、だけではなく全ビジネスパーソン必読の書です。

また、自分の読解力ががどの程度が測れる機会は日常でまずありませんよね。本書を手に取って、ぜひ一度は体験版のRTSテストに挑戦してみてほしいです。

created by Rinker
東洋経済新報社
¥1,728 (2019/10/22 10:20:57時点 Amazon調べ-詳細)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です