年甲斐もなく泣いてしまいました。
PIXAR作品の「リメンバー・ミー」を観てきました。
正直、想像以上に琴線に触れた作品となったので、感想を残しておきたいと思います。
本作の監督はトイ・ストーリーのリー・アンクリッチ。主題歌はアナ雪の「レット・イット・ゴー」を手掛けたロバート&クリステン・アンダーソン・ロペスが担当しています。
「リメンバー・ミー」あらすじ
主人公は、ミュージシャンを夢見る、ギターの天才少年ミゲル。しかし、厳格な《家族の掟》によって、ギターを弾くどころか音楽を聴くことすら禁じられていた…。ある日、ミゲルは古い家族写真をきっかけに、自分のひいひいおじいちゃんが伝説のミュージシャン、デラクルスではないかと推測。彼のお墓に忍び込み美しいギターを手にした、その瞬間──先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込んでしまった!-公式HPより引用
リメンバー・ミーはメキシコの祝祭「死者の日」を題材とした映画です。
この日は1年に1度、死者がこの世に戻ってくる日。日本におけるお盆に近い位置づけです。
ただし、日本との違いとして楽しく、明るく死者を迎え祝うという特徴があるようです。
メキシコの死者の日は10月31日から11月2日の3日間。
祝祭の間は町中がガイコツ(!)でいっぱいになるんだそうです。
カラフルで楽しく、それでいて美しい映像
リメンバー・ミーで描かれる「死者の国」はラテンのリズムが流れ、明るく、カラフルな世界。そこにいるガイコツ達も生き生き(?)としています。
事前情報をほとんど得ずに映画館に行ったので、今までにない明るい死後の世界で驚きました。※
また、興味深いことにリメンバー・ミーの「死者の国」では天国・地獄といった概念がないんですよね。観ていてメキシコの死生観を反映しているのかな、なんて感じました。
※観る前は「コープスブライト」のようなダークだけどコミカルな「死者の国」を想像していましたが、いい意味で裏切られました。
完璧なハッピーエンド
リメンバー・ミーは最近の映画では珍しくカンペキなハッピーエンドと言っていい映画ではないでしょうか。
(ディズニー/ピクサーの作品はほぼ全てハッピーエンドですが)
色々なものが収まるべきところに収まっていく感じ。感情がぐらぐらと揺さぶられます。正直、最後のシーンではこらえていた涙が思わず溢れてしまいました。
そして何よりメイン曲の「リメンバー・ミー」が最高すぎます。クラシック感がありすぎて、思わず過去の名曲のカバーかと勘違いしてしまうほどでした。
同じ監督で言うとトイ・ストーリー3も当然ハッピーエンドと言える作品です。
けれど、あの終わりはハッピーな気持ちとともに一抹の寂しさも。「結局もとには戻れないんだな」といった感覚が残った記憶があります。
(ぼかしてますが、わかる方にはわかってもらえる…はず)
また、日本では「リメンバー・ミー」ですが、英題は「COCO」なんですよね。
これを知った時にも思わずグっときてしまいました。
「リメンバー・ミー」の感想まとめ
ここでは触れませんでしたが、設定にツッコミをいれたくなるところも多々あります。ですが、それもまた楽しみの一つ。
観た人同士、あれこれ語ることができるのもこの作品の魅力だと思います。
また、本作は自分の子ども(小学生)一緒に観に行きました。
観終わって自分の涙を拭いていると子どもが、
「死んじゃったババ(数年前に亡くなったおばあちゃん)もあそこにいるのかな」
「おとうさんが死んじゃったら、ちゃんと写真飾ってあげるからね」
というコメントをしてくれました(ちょっと気が早すぎるぞ、と心の中でツッコミましたが…)。
もちろんエンタメとしても最高の映画ですが、「死」をここまで明るく描ける作品は他に類を見ないと思います。
子どもに「死」とは何か。違和感なく感じさせることができる数少ない作品の一つなのかもしれません。
ということで、個人的には生涯ベスト映画ランキングに入るくらいの作品です。
まだ観ていない方は、ぜひ劇場へ足を運んでみてください。
最後になりますが、エンドロールの途中では席を立たないことをおすすめします。