おや、今の単語はなんて意味だろう?
日本語ラップを聴いていて、このように感じたことはないでしょうか。
この記事では、日本語ラップでよく使われるヒップホップ用語について解説しています。
基本的な用語
ヒップホップでは曲の構成や歌詞を表す際、他ジャンルとは違う単語を用いることが多いです。
ここで紹介するのは、ヒップホップを聴く上で知っておきたい基本的な用語です。
バース
verse.
曲中のAメロ、Bメロのことを指す言葉。簡単に言うとサビに入る前の曲部分のことです。
フック
hook.
曲中のサビのことを指す言葉。
リリック
Lyric.
歌詞を指す言葉。
類似単語→リリシスト
歌詞に特徴があったり、こだわりを持っているラッパーのことを指す言葉。
ライム
Rhyme.
韻を踏むこと。ライミングと言うときもある。
キック
kick.
歌うこと、ラップをすることを指す言葉。
そのまま日本語訳して「蹴る」と表す場合もあります。
「バースをキックする」といった使われ方をします。
フロウ
Flow.
歌い方、歌い回しのこと。
ヒップホップにおいて歌いまわし、フロウは特に重要な要素。音楽への音の乗せ方や歌いまわしに個性が出ます。
サンプリング
sampling.
ラップを乗せる音楽、いわゆるビートの元ネタのこと。
または他のラッパーの歌詞の一部を使用することも指す。
クラシック
Classic.
古典。ジャンルではなく、ヒップホップでは過去の名曲を指す単語として使われます。
ビートジャック
beatjack.
他の曲のビートにオリジナルのラップをのせること。若手のラッパーがビートジャックが話題になり有名になる事例も。
いわゆる非公式音源としてYoutube、Instagramで発表されることが多い。
日本だとカニエウェストの「All day」をビートジャックしたKohhの「毎日だな」が有名ですね。
マッシュアップ
mashup.
それぞれ別の2曲を合わせて1曲にすること。
例えばA曲のビート上にB曲のラップを載せる等。うまくマッシュアップされた曲はめちゃくちゃカッコいい。
ただし、権利関係から公式音源にならないことも多い。ちょっと残念です
頻出単語
ここからは、実際の歌詞に使われることの多い単語を紹介していきます。
パンチライン
Punch Line.
決め台詞、歌詞の中で印象的な部分を指す言葉。
バイブス
Vibes.
情熱、雰囲気やテンション、ときには説得力、といった意味で使われます。
ボースト
boost.
誇る、といった意味。ヒップホップには「セルフボースト=自分自身を誇る」という文化があり、良く歌詞にも出てきます。
ワッサ
what’s up.
調子どう?といった意味や、軽いあいさつ感覚で使われることが多い。
スクー
skrrr!
車で急ブレーキを踏んだ音。
高級車を乗り回す、そんなイメージがわかりやすいでしょうか。
90年代で言う「YO!」と同じ感覚で使われる事が多いです。
プチャヘンザ
Put Your Hands Up.
手を上げな!という意味。曲中の盛り上がる場面で使われる場合が多い単語です。
レペゼン
represent.
何かを代表する、背負っている、といった意味。ヒップホップだと生まれや育ち、地元をレペゼンする、といったような使われることが多いです。
稀に見かける単語
ここからは、稀に出てくるヒップホップ用語を紹介していきます。
★関連記事
チル
CHILL OUT.
落ち着いた、まったりした気分のこと。
ドープ
dope.
いわゆる「クスリ」、ドラッグと同義。
そこから派生して中毒になるほどヤバいスタイルを指す言葉。
フッド
hood.
地元、地元の友達。
もとはNeighborhood=近所からできた造語のようです。
オートチューン
Auto-Tune.
実際に存在する音程補正ソフトウェア。クリーピーナッツの「生業」という曲で使われていて印象的だったので記載しました。
歌がヘタという使い方よりも、まがい物、ニセモノといったニュアンスで使われています。
ヤノマスティーロ
Y’ all know my steelo.
you all know my style.
「俺のスタイルわかっているだろ?」という意味で使われる単語。90年代や00年代のクラシックで聴くことの多い単語です。
ユノンセン
You know what I’m saying.
「俺の言いたいことわかるだろ?」という意味で使われる単語。上のヤノマスティーロと近い使われ方をしています。
更に略してナーミーと歌われる場合もあります。
ハーコー
Hardcore.
ハードコアの略。強固や過激といった意味。
バビロン
babylone.
権力者、支配階級、時には警察といった意味で使われることが多い単語です。
イル
ill.
直訳だと病気。
キテるやつ、やばいやつといった意味で使われる単語です。
ストロングスタイル
Strong style.
自分の強みを押し出す、という意味。ライミング、フロウ、バイブス…ラッパーごとにストロングスタイルを表す意味はそれぞれ異なります。
まとめ
ヒップホップは英語のスラングから派生した単語が多く、初めはとっつきにくいかもしれません。
ですが、ここで紹介した単語を理解してしまえば後は簡単。より日本語ラップを楽しむことができるようになると思いますよ。
日本語ラップへの愛情が熱いCreepyNutsのR-指定は中学生時代、TSUTAYAのレンタルで様々なアルバムをディグっていたと語っています。(詳細はこちらの記事を参照⇒【書評】「Rの異常な愛情」圧倒的な情報量!!プレイヤー視点からのリリック解説がおもしろい!)
いまは、当時と違いサブスクリプションサービスによって様々な作品をすぐに聴くことができます。
ヒップホップは他のグループや過去の音源のサンプリングといった要素が多いため、聴きこめば聴きこむほど楽しみが増すジャンル。できるだけ多くの音源をチェックしておきたいところです。
ちなみに私は<Amazon Music Unlimited>を利用しています。ヒップホップの楽曲も豊富で、クラシックな音源は大体聴くことができます。
初めの3ヶ月間は無料で利用できるので、まだ未登録の人は試してみてもいいかもしれませんよ。
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