例えるならば、スマホを操作中にいきなりインカメラが起動して画面にアップで映る自分の顔を見たときのように衝撃を受ける本。
いきなり分かりづらい例えでごめんなさい。ですが、そう表現したくなる本と出会ったのです。
それが「モテたいと思っている男ってなんであんなに気持ち悪いんだろう~本当にうまい女性のほめ方〜」(竹書房)です。
書店で見かけて思わずタイトル買いをしてしまいました。ちょっとレジに持っていくのは恥ずかしかったですが…。
ということで、ここでは本書の感想を紹介していきます。
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書評「モテたいと思っている男ってなんであんなに気持ち悪いんだろう」
本書の概要
書名 | モテたいと思っている男ってなんであんなに気持ち悪いんだろう~本当にうまい女性のほめ方~ |
出版社 | 竹書房 |
著者 | 大島 薫 |
商品コード(ISBN) | 9784801920842 |
価格 | 1,500円+税 |
著者は男性で元セクシー女優の大島薫さん。
この一行に情報が詰まっていますが、ここでは詳細な説明は割愛します。大島さんは男性ながら女性らしい可愛らしい容姿で、現在はマルチタレントとして活動中。Twitterのフォロワーは27万人。
表紙に本人の写真がありますが、初見ではとても男性とは思えないルックスですよね。
女性の格好をして生活する著者だからこそ分かる、男女の考え方の違い
23 歳で女性の格好で過ごすようになった著者の大島薫さん。
女性の姿で過ごすようになってからチカンに遭ったり、呑み屋で見知らぬ男性から口説かれるような経験をしたそう。
そんな著者だからこそ伝えられる、女性への接し方を82のエッセイを通して解説しています。
ここまでから分かる通り、男性側と女性側、両方の視点から書かれている点が本書の良いところ。
例えば女性の化粧に関する項目を例とすると、
女性は「化粧=自分のテンションを上げるため」とする回答が多くを占めるのに対し、男性側は「化粧=異性にモテるためにするもの」と捉えがちだと紹介されています。
つまり、女性は自分のために化粧をしているのに、男性側は異性にモテるため(男のため)に化粧をすると勘違いしがち。
本書ではエッセイを読み進めることで、こうした男女の心理の違いを認識できるようになっています。
セクハラ・パワハラと言われないために
突然ですが、あなたの職場で以下のような行動を見かけたことはないでしょうか。
- 年頃の女性に「そろそろ結婚しないの?」、結婚した女性には「子どもはつくらないの?」という発言
- 気軽に女子社員とLINEで繋がろうとする男性社員
- 飲み会で女子社員に対し役職者の隣に座るよう指示をする
- 飲み会での下ネタ発言
これらは残念ながら私の職場で比較的よくみかける対応や発言です。これ、完全にセクハラ・パワハラ案件ですよね。
もしかしたら、
「これくらいならセーフではないか?」
と感じた人もいるかもしれませんが、それもまた男性側の勘違いによるもの。
本書はこうした勘違いを防止し、セクハラ・パワハラと指摘されないためにも一読しておきたい1冊と言えます。
女性への接し方が具体的にわかる
- 女性が初デートのときに「この人ないな」と感じるのは歩幅の合わなさ
- 初回のデートは3時間くらいが丁度良い
- 女性を褒める時は外見ではなくセンスを褒める
本書ではこのように、いわゆる心構えだけでなく具体的にどう行動すればいいのかも解説されています。
女性側の考え方を知り、伝え方や行動を変えてみる。そうすれば、女性とのより円滑なコミュニケーションが図れるようになるはずです。
まとめ
本書の読者対象は以下の通り。
- 女性からモテたい人
- 女性との関わり方がわからない人
- 女性を部下や同僚に持つビジネスマン
要は、すべての世の男性にオススメできる本です。
正直、読者の男性にとって読んでいて痛いところを突かれる部分も多いはず。
例えば「10.男性は常にナイフ片手で女性に話しかけている意識をもったほうがいい」(p30)での女性側の気持ちを知るヒントになるある例えにはハッとさせられました。
私は実際に読んでみて、この本はいわゆるモテ本ではなく、性別に関わらず、どのように他者と接するかを理解する手助けになる本だと感じました。著者の大島薫さんも本書の冒頭でこのように書いています。
男女の認識の違いってものは2人のすれ違いを生み、だけど、そのすれ違いに「なんでわかってくれないの?こんなに愛しているのに」とさらに愛を加速させます。でも、それも度が過ぎると「あ、こいつダメだわ」なんて見切りをつける原因にもなったりしますね。
~中略~
この本では僕が見た目の変化を通じて感じた「女性のここがわからない」のなぞ解きをご紹介していきます。なにも僕のように女装して生活なんかしなくても、ちょっと見方を変えてわかりやすい言葉で伝えれば、きっと多くの男性たちも理解できる内容と信じていますので、ぜひこの本を通じて先のような『加速する男女のすれ違い』で僕と同じ被害者を出さないことを願っております。
「まえがき」(p4-5)より抜粋
ということで今回は「モテたいと思っている男ってなんであんなに気持ち悪いんだろう」を紹介しました。男性の皆さんにとって楽しい読書体験にはならないかもしれませんが、ぜひご一読を!
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