【書評】「MCバトル史から読み解く日本語ラップ入門」MCバトル好きは必読!現場にいた当人が語るバトル史

1998年から2017年、MCバトルの黎明期から高校生ラップバトル、フリースタイルダンジョンまでのラップ史を紐解く一冊。

正直あまり期待せず読み始めたのですが、良い意味で予想を裏切られました。

読み始めたらそのまま一気読みするほど面白い本だったので、ここで紹介したいと思います。

【書評】「MCバトル史から読み解く日本語ラップ入門」

ダース氏の目線から語られる1冊

本書はMCバトル史の本ですが、教科書的な内容ではありません。

1998年から2017年までのMCバトルの”現場”がどのような雰囲気だったのかをダースレイダー氏の実際の経験談を語ります。

こうした当時のアンダーグラウンドシーンの事情を知ることができるのは貴重です。

「KREVA」「般若」あのラッパー達の何が凄かったのか分かる

たとえば、今現在のMCバトルを見慣れていると、昔のバトル動画を見ても退屈に感じるかもしれません。

そんな当時のMCバトル、例えばB-BOY PARK全盛の2000年代にKREVAや般若の何が革新的だったのか、凄かったのかが、丁寧に記されています。

例としてKREVAスタイルについてのダース氏は以下のように解説しています。

KREVAがもうひとつテクニカルだったのは、小説のなかに言葉をあまり詰め込まなかったことです。ゆったりと喋ることで次の内容を考える時間を稼ぐ、という技法的側面もありますが、それと同時に、合間を設けることでお客さんが理解しやすいようにしてあげているのです。どうしても早口で言葉を詰めてしまうと、言葉が聞き取れなかったり、言葉を理解した際にはライムがかなり先に進んでいるということが起きがちです。
~中略~
聴衆の耳はまだそれを聞き分けられるほど育っていなかったのです。

「第一章 一九九八 - 二〇〇四」 より

このように、現在もオーバーグラウンドで活躍しているラッパーを初め多くの人物が本書に登場します。

また、こうしたスキル解説に加え、バトルライムの引用があるのも本書の特徴です。

実際にあったMCバトルのライムを引用し、それぞれのラッパーの当時の背景やスキルを解説。

取り上げているバトルも各時代を象徴する名勝負ばかりで読み応えがあります。

まとめ

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「MCバトル史から読み解く日本語ラップ入門」はMCバトル好きにはもちろん、日本のヒップホップシーンを追う上でもオススメ。まさにヘッズ必読の1冊と言えるでしょう。

本書で取り上げているのはまさにシーンの裏側。アンダーグラウンドのヒップホップシーンの当時の空気感を知ることで、日本のヒップホップの現在までの歩みをより立体的に把握することができます。

個人的には『ライムスター宇多丸の「ラップ史」入門』と併せて読むことで、日本ヒップホップシーンの全体像をより解像度高く理解することができるでしょう。

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