日本のヒップホップシーンでは誰もが知るレジェンド。また、現在ではフリースタイルダンジョンのオーガライザーで知られるZeebra氏の著作「ジブラの日本語ラップメソッド」を購入してきました。
正直、思っていた以上に内容が濃かったため早速シェアしたいと思います。
まず、推薦文がアツい!
まず、本を開く前に帯を見て驚きました。なんとあのライムスターの宇多丸師匠が推薦文を書いているじゃあないですか!
基本全員自己流、なかなか万人がアクセスできるようなメソッド化はされてこなかった「(特に日本語での)ラップの作り方~やり方)」を、我が国で最も有名かつテクニカルなラッパーが、極めてロジカルに解き明かして見せる……まさに教科書的一冊!これは恐らく、Zeebraが成し遂げてみせた、何度目かの歴史的偉業となるだろう。-宇多丸 ライムスター
限られたスペースしかない帯の中に204文字も詰め込む熱量!この帯だけで中身の質を担保していると言っても過言ではないでしょう。
とにかくラッパーは全員読むべし!
本書ではヒップホップ用語の意味、韻の踏み方といった基本情報から、楽曲作成やライブでの演出法といったプロ志向の内容までカバーされています。
特に力を入れていると感じたのが、楽曲制作に関わる項目。
リリックの書き方や実際の楽曲を作る際のまでの工程(イントロ→ヴァース→フック)をあますことなく解説しています。本当にあますことなく、です。ここまで書いてしまって大丈夫でしょうか、というくらい情報が詰まっています。
更に圧巻なのが、クラシック(=名曲)のZeebra「StreetDreams」やライムスターの「B-BOYイズム」を含めた10曲に対するZeebra氏による歌詞やフローの解説。何度も聞いていた名曲の新たな一面が発見できると思います。
また、各章の合間にあるコラムでは、Zeebra氏のヒップホップイズムに触れることができます。
あくまでも本格志向のラッパー向けの書籍
本書では、フリースタイルラップやMCバトルについてのスキル解説は最小限に留まっています。あくまで本格志向のラッパーへ向けた教科書です。
フリースタイルラップの練習方法についてはこちらの記事が参考になるかもしれません。
まず、小節、譜割りといった音楽的な基礎知識を理解する必要があります(じゃないと内容を読み解けないと思います)。
また、一度読んだだけですんなりと中身を理解できないという意味では中・上級者向けの書籍とも言えるでしょう。
ラップをしないヒップホップリスナーにもおすすめ
とは言え、ラップをしない人に本書は無用の長物というわけではありません。むしろ、楽曲制作に関する項目が多いからこそヒップホップリスナー必読の本と言えるかもしれません。
楽曲の基本的な構成、リリックの書き方、譜割りの手法といった音楽的要素を理解する。それらを理解した上で音源を聴くことで、また新たな発見ができるはずです。
まとめ
ストリート発祥のヒップホップカルチャーはいままでこれ、といったメソッドはありませんでした。
ですが、この本によって今後は教科書育ちのラッパーが現れるのも普通の出来事になるのかもしれませんね。
「ラップは誰かから教わるものじゃない」っていう人多いですよね。自己流でバッチリやれちゃうならそれでもいいんですが、せっかく30年かけて気づいたことをシェアしないのはもったいないと思いこの本を作りました。
-「ジブラの日本語ラップメソッド」(p234より)
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