【書評】MCバトル好きは一読の価値あり!DOTAMAの自伝「怒れる頭」

ドタマはバトル出身のMC。そう認識していました。彼の自伝「怒れる頭」を読むまでは。

DOTAMAを知らない人のために簡単な経歴を紹介
ドタマは栃木出身のラッパー。地上波のMCバトル番組フリースタイルダンジョンで一躍有名に。2017年には日本一のバトルMCを決める大会UMBで初めてチャンピオンに輝いた。音楽活動にも積極的に取り組んでおり、2018年には最新アルバム「悪役」をリリース。

そういう私もフリースタイルダンジョンでファンになった一人。
そのドタマが自伝を出版したと聞き早速手に取りました

第一章は2017年のumb2017年のエントリーから東京予選の優勝まで。

第二章は幼少期から初めてヒップホップにはまった学生時代。高校卒業後、サラリーマンと音楽活動を両立していた頃。その後、仕事を辞め、上京してからのことが語られます(ここのブラックバイトの話は生々しくて背筋が冷えます)。
第五章ではフリースタイルダンジョンへのオファーから一躍有名になった時期の話。

最終章となる第六章では昨年のUMB2017の決勝トーナメントを戦い優勝するまでを語ります。

特におすすめしたいのが第五章~第六章。5章では2015~2017年頃のヒップホップシーンど真ん中にいたDOTAMA.彼だからこそ語れる葛藤や今のシーンに対する考え方が語られます。

2017年夏。自身のキャリアで初めて全国ツアーを開催させてもらった。大阪、福岡、栃木、仙台、名古屋、東京。全国6都市を回らせてもらうことができた。
正直に言うと、赤字にこそならなかったが、チケットがソールドアウトした会場は少なかった。さらに夏フェスの出演もなく「ミュージシャンのDOTAMA」の活動が、自分の思うようにいかなかったのが事実だ。

ネットCMやタイアップ、ドラマの出演等で順風満帆だと思っていました。ですが、当人は思いのほか葛藤を抱えているようです。
私はDOTAMAの音源もよく聴きますが、確かに回りで聴いている人はあまりいないかもしれません。

第六章では主にUMB2017の決勝トーナメント、主に決勝ふぁんく戦を中心に記されます。
ここではバトルの詳細と今のシーンに対する思いが交差して語られます。構成としては少しややこしい。ですが、きっとこの章は一気に書き上げたのでしょう。文章に勢いがあり、それだけに一番面白いところです。

しかし、敢えて惜しい点を挙げてみます。
それはドタマをヴォーカルに据えたロックバンドFinalFrashについての言及が無かったこと。
バンド活動は彼の音楽活動のなかで外すことのできないトピック。実質休止中とのことなので、仕方ないことなのでしょう。いつか改めて語ってくれることを期待したいです。

それでも、

・教師夫婦の長男に生まれたがゆえの周囲との軋轢
・無名のラッパーが地方のアンダーグラウンドから這い上がってきた過程
・今のシーンに対する複雑な想い

現在進行形で活躍しているDOTAMAの言葉は一読の価値あり!
ファンはもちろん、今のMCバトルシーンに浸かっている人にもおすすめしたい1冊です。

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